～「健康格差」を学びたい人に適した定番書～
社会医学研究会では、日本で初めて「社会疫学」という視点をもたらした本書を、6人の世話人が分担して2回に渡って解説します。社会医学の基盤となる内容となっており、加えてホリスティックな視点を補充しながら深めていきます。
受講形態：「zoom受講」または「録画受講」。

＜解説者＞
1）なぜ「健康格差社会」を取り上げるのか
林　真一郎（薬剤師、グリーンフラスコ代表）

2）健康格差社会を見る全体的視点と相対的要因とは
降矢英成（赤坂溜池クリニック院長）

3）ダイアローグ（林 真一郎×降矢英成）

『健康格差社会　何が心と健康を蝕むのか』近藤克則（著）／医学書院2022
＜著者プロフィール＞2014年から千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門教授。国立長寿「医療研究センター老年学評価研究部長、日本福祉大学局員教授も併任。2020年本書により日本医師会医学賞を受賞する。
～「健康格差」「健康の社会的決定要因（social determinants of health：SDH）」「ソーシャル・キャピタル（social capital）」などの言葉やそれらを解明する「社会疫学（social epidemiology）」は，当時はごく一部の研究者しか知らなかった。まだ「平等な国」という幻想が残っていた日本では，健康にまで格差があることは共通認識になっていなかった。しかし、健康の社会的決定要因の重要性は明らかで，日本にもある健康格差は放置すべきでないと考えた。そこで，海外の膨大な知見と日本でのわずかな実証データをもとに，「早期警告」を発し，その生成メカニズムの理論（仮説）や，とるべき対策の考え方，そして黎明期である社会疫学の可能性と課題を論じたのが、拙著の初版だった。

＊第2回は、10/５に行う予定です。