コミュニケーション医学は、単に言語的コミュニケーションを大切にするというだけでなく、患者さんとの「かかわり」や「つながり」を重視し、それを通して心の治癒力を最大限に引き出すことを目指す医学です。
ここでのテクニックを良心的に使えば治療効果を大きく高め、癒やしや治癒につなげることができますが、その一方で患者さんの思いをうまく誘導することもでき、その意味では諸刃の剣だと言えます。
ですから治療者には患者さんの心の治癒力をうまく引き出すための手段として、また患者さんには利己的な治療者に丸め込まれることから自分を守る方法として、このコミュニケーション医学の考え方やテクニックを学んで頂けたらと思っています。

【講師】黒丸 尊治
彦根市立病院緩和ケア内科部長
1959年、東京都生まれ。信州大学医学部卒。洛和会音羽病院心療内科等を経て、現在、彦根市立病院緩和ケア内科部長。
2007年からは京都、東京、福岡で定期的にホリスティックコミュニケーション実践セミナーを開催。
日本心身医学会専門医、日本緩和医療学会認定医。著書に『心の治癒力をうまく引きだす』『緩和医療と心の治癒力』（以上築地書館）『「心の治癒力」をスイッチON！』（BABジャパン）などがある。