世間一般的には「がん」は闘う相手であり、・・・
根治＝がんを細胞レベルに至るまで身体の中から消し去ることががん治療の最終目標となっています。目をこの地球上で起こっていることに向けてみると、今この瞬間も世界のどこかで紛争や戦争が行われています。客観的にそれらを見て、「戦争によって相手を叩きのめすことでしか平和は来ない」と考えるひとは少数派ではないでしょうか。闘っている当事者双方にとってあまり益のない争いを一刻も早くやめて、新たな解決方法を探ったほうがいいとは思いませんか？

自分が何かと戦争していると思ったら、常に緊張状態を強いられます。問題は一気にはなくならなくても、武器を置いて握手をすれば平和はすぐに達成されます。こうなるとがん治療は戦争ではなく、環境問題となります。がんや病氣の原因となった偏りを元の状態に戻してあげる、元に戻る力＝自然治癒力が十分働けるように体内の環境を良くしてあげることが主たる目標になります。がんをどうとらえるか、今一度皆さんと考えてみたいと思います。

講師：奥野 芳茂（おくの よししげ）
奥野クリニック院長。
1963年 大阪市生まれ。1988年京都大学医学部卒業。放射線治療専門医として様々な医療現場でがん患者に向き合う。母親のスキルスがんを通して、エビデンス的正しさが患者や家族を救うわけではないことを実感。2010年、神戸市に奥野クリニックを開院。がんと“闘わない”ホリスティック医療を提供している。