コラム記事・研究会レポート

エネルギー医学の究極の鍵 「意識シリーズ」(4)

2021/07/25
研究会

文・降矢英成(エネルギー医学研究会世話人代表)

「意識はエネルギーの最高レベルの形態である」これは、『バイブレーショナルメディスン』を著したリチャード・ガーバーの名言です。
エネルギー医学を、ボディケア、レメディ、エネルギー機器などのさまざまなアプローチから実践・追求していくと、共通のキーワードとして必ず「意識」に突き当たることになります。
そこで、エネルギー医学研究会では満を持してこの究極のテーマである「意識」をテーマに4回連続講座をスタートしました。ここでは第4回をレポートします。

第4回 形態形成場から観た「意識」&集合意識とエネルギー

2021年4月10日(土)開催
主催:日本ホリスティック医学協会 関東フォーラム委員会

「意識を語る上で必要不可欠な概念である“形態形成場」
講師:根本泰行 (理学博士、オフィスマサルエモト顧問)

ルパート・シェルドレイク博士(イギリスの生物学者、超心理学者)の「形態形成場」の理論について、科学として理解することは、意識や記憶、波動測定などを考える上で、絶対的に必要であると思っています。シェルドレイク博士は「記憶や経験は、脳ではなく、生物種ごとにサーバーのような場所に保存されており、脳は単なる受信機に過ぎず、記憶喪失の回復が起こるのもこれで説明がつく」という仮説も提唱しています。
今から250年前、グリセリンが初めて天然脂肪から抽出された頃、グリセリンはどのようなことをしても結晶にならなかったのですが、19世紀に入ってまもなく、不思議なことに、ウィーンの工場からロンドンに運ばれる途中で、樽の中のグリセリンが突然結晶化、同じ頃、カナダのとある化2021学工場でも、グリセリンが結晶化していました。それを知ったカリフォルニア大学の化学者たちが、カナダから送られてきたグリセリンの結晶を少量入れると、グリセリンが結晶化するという現象が起こり、その頃以降、世界中でグリセリンが17℃で結晶化するようになりました。
「形態形成場理論」とは、自然界に存在する生物の特徴的な形や行動、また物理的、化学的なあらゆるシステムの形態は、「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるべきプロセスによって導かれ、「形の場」がいったんできあがると、それは時間と空間を超えて、これから発生する生物学的、あるいは物理的・化学的システムに影響を与え、過去に形成された同様の生物やシステムの形を組織化し、再現させようとするという理論です。これが、先のグリセリンが急に結晶化するようになったことの説明として当てはまると考えられています。
「形の共鳴」作用は、生物の種が同じであればあるほど強く、その個体数が多ければ多いほど強く、その種が代を重ねるごとに、その種に特有の形として固定していきます。これは単に幾何学的な形に留まるものではなく、生物や人間の学習形態、さらに意識の形態にも適用されるとしている点が特徴です。まとめていうと、「記憶」や「生物の形態形成に必要な空間情報」、「意識」や「集合意識」、そして「超意識」(=自分を超えて、宇宙と繋がっている意識)は、「形態形成場」に存在しているということにもなる大変重要な視点をもっていることを強調しておきたいと思います。

 

「集合意識を「意識」と「エネルギー」から読み解く」
講師:寺岡里紗 (Info Therapyセラピスト)

フロイトが指摘した個々の人間の意識はもちろん重要ですが、複数の人、集団の意識である「集合意識」の重要性を指摘したのがユングです。
この「集合意識」の存在の検証は、最近では「受動的意識」と「能動的意識」の両方の視点からなされています。「受動的意識」の研究としては、プリンストン⼤学のPEAR(Princeton Engineering Anomalies Research)やグローバル・コンシャスネス・プロジェクト(GCP)などが有名なものです。
「受動的意識」の研究は、世界的な出来事(災害、テロ、宗教、祝事)に対する検証をした「集合意識の反応」と、パワースポットなど古くから聖地として崇められた場の持つ⼒の検証をした「場の共鳴」の2つの視点から追究され、25年間の膨⼤なデータを積み重ねてメタ解析による統計により、ランダムデータの変化は世界規模で起こる⼈間をつなぐ出来事と相関することが示されたのです。 実際には、9.11やインドネシアの大地震、ダイアナ妃の事故などの出来事の際に、世界中に設置された装置によって集合意識の変化がはっきりと表れており、一方では、デビルズ・タワー、クフ王のピラミッドなどのパワースポットでも、持ち運び型の装置によってふつうの場所とは違う影響が測定されています。

また、もう一つの「能動的意識」の追究としては、『パワー・オブ・エイト 〜意識が起こす奇跡』(リン・マクタガート、PHP研究所)では、これまでインターネットを介した実験では数千⼈〜数万⼈の規模で⾏った意識の実験で素晴らしい効果と科学的な検証の実績を出してきた医学・科学ジャーナリストのマクタガート氏が、今度は参加者をたった「8⼈」に減らしてターゲットを1⼈に絞っても同じような効果があるのかを⽬的とした実験の内容を本にまとめています。
目的の一つは「ヒーリング、祈りの効果は⼈数、距離、触れ合うこと、相⼿を知っているかどうかに関係するのか?」、もう一つは「能動的意識は受動的意識を超えるパワーを持つのか?」ですが、⼈数とヒーリング効果は⽐例せず、8⼈で⼗分であること、そして距離、相⼿を知っていることは関係なく、触れ合う必要もなく、むしろ知らない⽅が効果的であることが分かりました。
また、予想外の出来事として、「受け手以上に送り⼿の方に⼤きな変化とヒーリング効果が起こっている」ことが報告されていますが、これは「愛されるより愛するほうが心地よい」ということと共通する点かもしれません。

 


『HOLISTIC NewsLetter VOl.109』(2021.6.22発行)
研究会レポートより

本セミナーは、Vimeoオンデマンドで受講できます。
https://www.holistic-medicine.or.jp/movie/「意識」シリーズ4/
【1】「意識研究」とインテグラル心理学の展開(本編59分)
【2】「形而上モデルから考える意識と秘教(本編60分)