コラム記事・研究会レポート
これからも、より良き医療を求めて
協会35周年おめでとうございます。
途端に藤波譲二初代会長をはじめ、伊藤真愚さん、寺山心一翁さん、上野圭一さん、福田俊作さん、大塚晃志郎さん、降矢英成さん、山本忍さんなどの協会草創期のあの顔この顔が鮮やかに蘇ってきました。
皆さん若々しく、どの顔も理想に燃えていました。
しかし、世間の理解となると、まったく歯牙にもかけないという状態でした。
何回も地団駄を踏んだものです。
あるとき『ぼくが医者をやめた理由』という本を書いて医者をやめて作家になった永井明さんが取材に来られたことがありました。
出来上がった原稿の題名を見ておどろきました。
なんと「孤独なる荒野のガンマン」とあるではありませんか。
元映画少年の私としては悪い気はしませんでしたが、言い得て妙と感心したものです。
しかし、現在はそんなことはありません。
患者さんの多くがホリスティック医学を正しく理解しております。
これも会員の皆さんの35年間にわたる地道な努力の賜物と深く感謝しております。
さらにホリスティック医学の臨床については
① からだに対しては西洋医学を中心にした治しの戦術。
② こころに対しては各種心理療法を駆使しながら、患者さんと治療者が寄り添いあって心を一つにすること。
③ いのちに対して代替療法と養生を主にした癒しの戦術。
のなかから作る個性的戦略に尽きると思っております。
これからも、より良き医療を求めて、皆さんと手を携えて地道に進めていこうではありませんか。
帯津 良一 (おびつりょういち)
帯津三敬病院名誉院長、帯津三敬塾クリニック主宰。1936年生まれ。東京大学医学部卒業。医学博士。東大病院第三外科医局長、都立駒込病院外科医長を経て、82年埼玉県川越市にて開業。西洋医学に中国医学、気功、代替療法などを取り入れ、人間をまるごととらえるホリスティック医療を実践している。日本ホリスティック医学協会名誉会長。著書『死を思い、よりよく生きる』(廣済堂出版)、『ホリスティック医学入門』(角川書店)、『代替療法はなぜ効くのか』(春秋社)、『後悔しない逝き方』(東京堂出版)他多数。
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