コラム記事・研究会レポート

医療塾 第4回「ホリスティック アプローチの実際」

2012/10/12
医療塾

医療従事者のための「ホリスティック医療塾」
2012年9月23日(日)於:関西医科大学滝井学舎 本館会議室
◎レポート:愛場 庸雅(日本ホリスティック医学協会理事)

第4回「ホリスティック アプローチの実際」

ホリスティック医療塾第4回は、「ホリスティックアプローチの実際」としました。

実際のクライエントさんへの各種療法のかかわりを学ぼうということで、パネルディスカッション形式で行いました。
演者は、アロマセラピスト:相原由花、整体:岡田俊一、東洋医学:野網昭南の各氏にお願いし、西洋医学からは愛場庸雅が司会進行を兼ねて出演しました。
まず、各人の治療法の考え方を簡単に紹介してもらいました。

相原:アロマセラピーは治療ではなくケア。香りも大切だが、タッチも大切にし、快情動を高める。身体・精神をひっくるめて自然治癒力を高めることをサポートする。

岡田:コンセプトは「感動は心の扉を開く」。最初にパーソナルカードを書いてもらうが、その書く姿勢なども見る。整体、メンタル、食べ物を大切にしているが、患者との信頼関係(ラポール)とリピートも重要。

野網:食養生と漢方の指導をしているが、医食同源であり、養生の考え方を重視しており、必ずしも漢方にこだわらない。人間関係も大切にし、クライエントの信念を認めアシスタントに徹する。

そのあと、実際の患者(役)の方をお願いし、「50代の女性、乳がんの治療後抗がん剤の副作用であるしびれ感で困っている。再発への不安などの他に腰痛などの症状もあるほか、家庭では介護の問題なども抱えている」という患者像に対して、それぞれの立場からのアプローチの実際を行ってもらいました。

そこで出てきたのは、がんとわかった時の感情、不安感への対応、身体的症状へのアプローチ、陰陽虚実と体の冷え、痛みの背後にある問題、触れることの効果、本人の認識と気づき、……といったような事柄でした。

その後、ディスカッションに移り、各セラピストとも、患者とのかかわり方と心の面の問題を重視していることがうかがえました。また、会場の参加者からも他のアプローチ法についても紹介して頂きました。

各セラピストの考え方、患者とのかかわり方の実際を見てゆくと、どんな治療手段、アプローチ法を用いるにせよ、全人的視点、自然治癒力とセルフケアの重視、病からの気づきとスピリチュアリティ、といったホリスティックな視点を、各治療家が持っていることを垣間見ることが出来ました。