コラム記事・研究会レポート

医療塾 第1回「代替医療をどう活かすか」

2012/05/12
医療塾

医療従事者のための「ホリスティック医療塾」
2012年1月29日(日)於:関西医科大学滝井学舎本館会議室
◎レポート:愛場 庸雅(日本ホリスティック医学協会理事)

第1回「代替医療をどう活かすか」

第1回のテーマは、「代替医療をどう活かすか」としました。10名の参加者があり、職種は、医師、看護師、鍼灸師、薬剤師、など、年齢も30代から60代までと多彩で、関西支部スタッフも加わり、約1時間30分の語らいを行いました。
全員が自己紹介をした後、話題提供のためのミニレクチャー「代替医療を統合するとは? 代替医療はなぜ、どこに効くのか?」を司会の愛場が行いました。その要点は、「ホリスティックな考え方では、医療の統合とは単に各種の治療法を併用するというものではなく、多様な視点からのものの見方を理解するということである。また、ある一つの治療法は、体、心、スピリチュアリテイの全てに影響している。」ということです。
このあと、ディスカッションに移りました。皆さんから出た意見を簡単にまとめると、次のようになります。

◎代替医療をやるとしても、時間もなく、一人ではなかなか難しい。保険診療上の問題もある。一つの施設でやろうとするより、横のつながり、チーム、緩いネットワーク作りが必要である。一方で、医師や代替治療家の知識やレベルも様々なので、皆がそれを磨き、ホリスティックな理念と、一体感を持ったスタッフが必要で、そのためにはお互いが理解できる視点が必要である。地域医療に還元できるようなシステムも欲しい。

◎人間はもともと統合されたもの、自然治癒力を持っているものである。患者さんを見るのに、一人一人の個人の体質や生き方を全人的にみて、個人に合った治療をすることが必要で、中にはスピリチュアルなアプローチをする場合もある。患者さんとのコミュニケーションが大切である。ボランティアがコーディネーター的な役割をすることもある。

◎ホリスティックとは、一つの医療哲学である。医療人類学的な視点を持つことが必要で、患者自身も自ら治療法を選択するなどの考え方も必要である。医療従事者も精神的、肉体的に健康でないといけない。

初めての試みでしたが、参加者の皆さんの積極的なディスカッションにより、場は盛り上がりました。
「自分と同じ考えを持った人に出会えてよかった。」「他の先生方のやり方からヒントを得られたので、来て良かった」等の感想も寄せられ、新たなネットワークの可能性も見えてきました。